漢方薬の「成分」だけでなく、経絡を通じて薬を正確に届ける——
鍼灸師だからこそできる、経絡漢方処方の話。
まず知っておきたいこと
漢方薬には「帰経」という概念があります。これは「この生薬は肝に作用しやすい」といった、薬と臓腑の親和性のこと。一般的な漢方処方では主にこの帰経が参照されます。
一方、引経薬(いんけいやく)とは、処方全体の薬効を特定の経絡へと誘導する生薬のこと。本草綱目をはじめとする古典に記されており、「帰経」がどこへ届くかを示すのに対し、引経薬は薬を「届かせる力」そのものを担います。
この引経薬を正しく活用するには、前提として経絡の状態を診断できる技術が必要です。漢方薬局や漢方内科にはない、鍼灸師ならではの処方設計がここにあります。
経絡の本質を知る
漢方を扱う先生の中にも、診察室に経絡人形を置き、ツボの位置を参照しながら処方を組む方がいます。それ自体を否定するわけではありませんが、経絡の本質——なぜその経絡がその臓腑とつながり、なぜその症状が出るのか——は、経絡人形には書いていません。
答えは中国医学の源典、『黄帝内経』霊枢・経脈篇第十(けいみゃくへんだいじゅう)にあります。
院長の當山は、この経脈篇を繰り返し読み込んだ上で臨床に立っています。12経絡それぞれが「是動則病(これ動ずれば病む)」「所生病(生ずる病)」として記す症状群——それを現代の患者さんの訴えと照合しながら、経絡の虚実を判断します。
近江治療院の経絡漢方は、表面のツボ位置だけでなく、経絡が病むときに何が起きるかという古典の記述に根ざしています。経絡は飾りではなく、診断の軸です。
処方の流れ
独自の診断システム「氣脈功」で12経絡の氣の充実度を数値化。どの経絡が虚しているかを客観的に把握します。
経絡の状態を診た上で、その経絡へ薬効を誘導する引経薬を処方に組み込みます。帰経だけでなく「届かせる仕組み」まで設計します。
その経絡が最も活発になる時間帯に1日量を服用することで、薬効を最大限に引き出します。
奇経八脈への通電治療と漢方を組み合わせ、鍼と薬の相乗効果を最大化します。
引経薬を扱うには、経絡そのものを診断できる技術が前提となります。漢方薬局でも内科でもなく、鍼灸師である院長だからこそ、この処方設計が成立します。
氣脈功とは
院内に掲示している経絡図(医道の日本社)
近江治療院では独自の診断システム「氣脈功」を用い、12経絡それぞれの氣の状態を −1.0〜10.0 の数値で測定します。数値が低いほど経絡が弱り、症状が出やすい状態です。治療のたびに数値を記録し、回復の経過を客観的に追跡できます。
※ 上記はイメージ図です。数値は患者さんごとに異なります。
⚠ 3.0以下になると自覚症状が現れやすくなります経絡漢方による処方設計を、一度体験してみてください。
28年の臨床経験と独自の診断システムで、体質の根本に向き合います。