50代女性。全体的に調子は良いが、頚を上に向けた時、寝始めの時(特に枕なしで寝た時)にたまに眩暈が起こる。続かないが怖いとのこと。本人は「耳石が原因?BPPV?」と気にされていた。
📊 氣脈功測定(治療前)
| 心下部 | 9.2合(安定) |
| 脾 | 9.2合(安定) |
| 季肋下 | 5.3合(やや低下) |
| 腎 | 2.4合(前回9.7から大幅低下) |
⚠️ 腎虚による清陽不昇腎の力が弱る(腎虚)→ 下焦不固 → 清陽不昇 → 体位変換時に眩暈特に「枕なしで寝た時」に眩暈が起こるのは、頭の位置が不安定になることで、弱った腎が下から支えきれなくなるため。西洋医学では「耳石のズレ」と説明されるが、本質は腎虚にあった。
※復溜は腎経の要穴。腎の氣を温めて昇らせる作用がある。
※八味丸に含まれる桂枝(引経薬)が、復溜と同じく氣を温めて上行・通達させる。復溜(鍼)→桂枝(引経薬)→八味丸(処方)という王道の組み立て。
| 治療前(腎) | 2.4合 |
| 治療後(腎) | 9.2合 |
| 改善幅 | +6.8合 |
| 全体 | 四分画SM(スーパーマッチ)成立 |
体位変換時の眩暈は、西洋医学では「耳石のズレ(BPPV)」と説明される。しかし、東洋医学ではその本質を「腎虚による清陽不昇」として捉える。この患者様の場合、前回診療時には腎9.7という良好な数値だったが、今回は2.4まで大幅低下していた。全体的に調子は良いのに、腎だけが極端に落ちている。これが眩暈の正体である。腎の力が弱ると、下半身の氣が安定せず(下焦不固)、清らかな氣が頭にうまく昇れない(清陽不昇)。その結果、体位を変えた時に頭がふらつく。特に「枕なしで寝た時」に眩暈が起こるのは、頭の位置が不安定になることで、弱った腎が下から支えきれなくなるためだ。治療は復溜一穴。腎経の要穴である復溜に補法を施し、腎の氣を温めて昇らせた。結果、腎は2.4から9.2へ、+6.8合の大幅回復。四分画SM(スーパーマッチ)が成立した。そして処方は八味丸。復溜で補った腎の力を持続させるため、腎経の旺時(17-19時)に服用していただく。八味丸に含まれる桂枝という生薬は、復溜と同じく氣を温めて上行・通達させる性質を持つ。復溜(鍼)→桂枝(引経薬)→八味丸(処方)。これが東洋医学の王道である。氣脈功で「腎2.4」という深い虚を見つけ、復溜一穴で9.2まで回復できたこと。これは東洋医学の診断力・治療力の証明である。