読者の中に、先生はなぜ鍼灸師なのに漢方を覚えようとするのか? また取り扱おうとするのかと質問されたことがあります。これは、今の伝漢研の先生方にも質問されたことがあります。まず私が伝漢研に入会した動機は、目の前にいる患者さんを治したかったからです。そこでこの会が用いてる糸練功(医療気功)を知りました。しかし、この会で糸練功の言葉以外回りから聞こえてくることは、○○散証 ○○丸証 ○○湯証 僕は (゜Д゜) ハア?? って感じでなんかおいてきぼりをくらっている感じでした。なんかすごく孤独でした。。。だからそれを払拭するため周りの先生方に、ここのつぼがねこうでね、あーでねと言っても、今度は向こうの先生方が (゜Д゜) ハア??って感じで話が噛み合いませんでした。。。。つまりあまり相手にしてもらえませんでした。。。。そこで、よし漢方の名前から覚えよう!とまずは読みやすい挿絵の入ったものから片っ端に読んでは、伝漢研の際に、それって「桂枝茯苓丸」ですよね、それって、「桂枝加竜骨牡蠣湯」証じゃないですかというと、「おお當山君、自分鍼やのに、よーおぼえたな~」 と言われ、ようやく仲間に入れてもらえるかなと思ったのが、入会して、約1年と少し過ぎたころでした、今思うと、鍼灸師の人間が漢方の勉強会に入れてもらう、礼儀だとも感じています。今では、周りの先生達にも引けをとらないぐらい、処方名、生薬構成も覚えています。そのおかげか、臨床にも本当に役立つようになってます。たとえば半夏厚朴湯証を糸練功で確認したとき、あなたは、身も心もデリケートで、時に薬物に敏感で、また優柔不断なときがあるでしょうと。向こうから聞かずとも、処方からその方の性格までわかるようになってきました。言われた患者さんは「ええ?なんでそんな事がわかるんですか?」また自分の娘様の直筆の字をもってきて。苓桂朮甘湯証を確認したとき、「時々、めまいに似たようなフラッとした感じがあり、時々いらいらして、時に動悸がしたりしてはりませんか?不眠気味ではないですか?」というと「わー先生なんで、そんなことがわかるんですか?はい確かに○○(娘様のお名前)は、最近ふらふらするといいますし、時々いらいらして眠れないといいます、わー先生なんか気持悪いっていうかこわいわー」と。あまりよくないかもしれませんが、無問診で、処方の内容が分かっていると、その方のお身体の状態が分かるようになります。私は今以上に、もっと知りたいと思って、どんどん色々な漢方の本、大塚敬節先生の書物を筆頭に読みあさりました。今ではほとんどの薬方の名前を言えますし、処方を見ただけでだいたい何に効くかもわかってきました。処方構成の解析もできるようになってきました。しかし、そんな少し漢方がわかって鼻が伸びてきたかと思われるある日、関西伝漢研の大物先輩に全国大会のおり、次のように質問しました、「先生、たとえばこの、(健歩人 ケンポジン・日本製薬工業株式会社製品)などは、どういった人に服用させるといいのですか?」と質問すると、次のような思わぬ解答が返ってきました、「君は漢方を扱いたいために伝漢研にはいったんか?君は鍼をやりなさいよ~、木下先生は君が漢方を扱えるようになることは望んでへんよ、入江先生がもっとやりたかったこと、漢方と鍼の融合をした鍼ができる人間になってもらいたいと思ってはるんやで、君が漢方使える人間になることを先生は期待してないよ」 正直ショックでした。 僕は自由自在に漢方を扱えないから、鍼の人間はこの会から出て行けと聞こえたんです。それから悶々とした日々を過ごしました、さみしくなりもうこの会を辞めようと思ったのは数えて3回あります。そこを察してくださったのか、師匠木下順一朗先生が、「當山は、たとえば苓桂朮甘湯の証の人ならどこに針をうてばいいか、それを考えていきなさい」とアドバイスくださいました、そのことを関西の先生にも言うと「多分、世界中、誰もやってないことを君はしよーとしている、これは糸練功がないとできんことやからなー、多分ものすごく苦労すると思うけど頑張れよ!」と言ってくださいました。お二人から大きなヒントをもらいました。 先の道が見えなかった僕に、光を与えてくれました。漢方と鍼の理屈をくっつけようとしたのはそれからです。 そして今の漢方(漢方薬)帰経(その漢方の生薬が流れる経絡の経路)方意(その漢方薬がもつ効力・意味)の鍼を構築するに至ってます。これを最終的には、誰でも簡単に、○○証の時には、大抵こことここに銀を貼ればいいなどみたいなのを作っていってますそれも背景には、必ず古典の難経の69難や75難(治療法)と理論理屈が合わなければなりません。現在も、諸先輩や師匠木下先生からに正しい糸練功の取り方を教えてもらいながら目下研究中です。