「テレビから聞こえるのが、単語だったのが文章に聞こえるようになった!」
59歳男性の患者さんが、目を輝かせてそう報告してくださいました。耳鳴り・耳の詰まり・難聴を主訴に通院中のこの方、1ヶ月間小麦を完全に断つという食養生を徹底して実践された結果、脾の氣位が9.8の満点近くで安定。さらに今回の治療で、左耳の氣位が初めて10.0に到達しました。
太谿補鍼と百会灸というシンプルな2穴。引経薬・知母を含む酸棗仁湯の適切な選択。そして子午流注に沿った服薬タイミング。すべてが噛み合った、段階的な聴力回復の記録をご報告します。
👤 患者プロフィール
| 年齢・性別 | 59歳・男性 |
| 主訴 | 耳鳴り・耳の詰まり感・難聴(左耳) |
| 食養生 | 小麦を1ヶ月間完全に除去 |
| 本稿診療日 | 2026年4月8日(水) |
🗣️ 患者さんからの改善報告
耳の詰まり感
「詰まってるけど、いい感じ。詰まってても『詰まってー』って感じはない」
→ 症状があっても苦痛感が消えた。質的な改善。
耳鳴り
「あるけど比較的軽く、酷いものは1回もない」
→ 程度が軽減し、安定している。
聴こえ方
「ここ2〜3日、一定の音量で聞こえてる」
→ 音量の安定性が向上。
⭐ 今回最大の改善
「この1週間、テレビから聞こえるのが単語だったのが
文章に聞こえるようになった!」
→ 段階的な聴力の回復が確実に進んでいます。
🌾 食養生の成果
「小麦と表示で書いてるものを食べないようにした」と徹底的に1ヶ月間実践。さらに「小麦を辞めるならダイエットもしようか」という前向きな姿勢で、生活全体の見直しにも繋がっています。
結果として脾の氣位が9.8で完璧安定。
東洋医学では脾(消化吸収の要)の湿邪が耳の通路を塞ぐと考えます。小麦除去によって脾の負担が取り除かれ、数値に直接反映されました。
📊 氣脈功 数値(2026年4月8日)
| 腹診部位 | 治療前 SK | 治療後 SSK |
|---|---|---|
| 心下部 | 9.8 | (測定なし) |
| 脾 | 9.8 | (測定なし) |
| 季肋下 | 9.8 | (測定なし) |
| 腎 | 6.8 | 10.0 🌟 |
| 左耳(患部) | 8.2 | 10.0 🌟 ★ 初の10.0到達! |
※ SK=氣脈功腹診値(治療前)、SSK=ピーク値(治療後最大反応値)。10が満点、3.0以下は症状域。
🪡 治療内容(2026年4月8日)
① 右太谿(腎経・原穴)補鍼
腎の原穴に補鍼し、腎陽を温めて土台を固めます。腎の氣位が6.8→10.0に完全回復。「耳は腎の開竅」という原則に基づく、根本治療の一手です。
② 百会(督脈穴)灸
頭頂の百会に灸を施し、清陽を頭部へ昇らせて清竅(耳)を開通させます。左耳の氣位が8.2→10.0へ。初めての満点到達です。
治療の組み立て
太谿補鍼 → 下から腎を補う
↓
百会灸 → 上から清陽を昇らせる
「下補上昇」の2穴で、耳への氣の道を完全に開く。
💊 処方内容
🌅 朝食前(脾経の旺時・9〜11時)
加味平胃散 2包 / 桜精 2錠
燥湿健脾で脾の湿を捌き、桜精で腎陽を朝から鼓舞します。
🌆 夕食前(腎経の旺時・17〜19時)
酸棗仁湯 1包
養血安神をメインとしながら、引経薬・知母が腎経に誘導し、軽度の滋陰作用を発揮します。
処方選択のポイント:引経薬による適応判定
滋陰降火湯・知柏地黄丸は氣脈功で「ST(不適応)」反応。より強い滋陰剤は今の身体には過剰でした。一方、知母を引経薬として含む酸棗仁湯は「SM(適応)」。養血安神をメインとしつつ、腎経への誘導と軽度滋陰がちょうど身体の求めるバランスに一致しました。夕食前の腎経旺時に服用することで、知母の引経作用が最大限に発揮されます。
📈 聴力回復の段階(経過)
Lv.1 音が聞こえない
Lv.2 音は聞こえるが言葉にならない
Lv.3 単語が聞き取れる (前回まで)
Lv.4 文章が聞こえる ← 今ここ!
Lv.5 小さい音も聞こえる (目標)
👁️ 院長の眼
今回の症例で最も重要なのは、患者さん自身が食養生を1ヶ月間やり抜いたことです。小麦除去によって脾の氣位が9.8で安定し、脾湿が晴れた結果として耳への氣の通路が確保された。これが土台にあってこその今回の著効です。
数値の変化以上に大切なのは、「詰まってても苦痛感がない」「酷い耳鳴りは1回もなかった」という体感の質的変化です。症状の有無ではなく、症状との付き合い方が変わる。これが本当の意味での回復です。
処方選択では、氣脈功のST/SM反応が明確に答えを示してくれました。理論的に正しい処方よりも、その日のその身体が求める処方を選ぶ。これが氣脈功を使った漢方治療の本質です。
太谿・百会の2穴というシンプルな鍼灸治療が、腎6.8→10・左耳8.2→10という完璧な結果を出せたのは、処方・食養生・鍼灸がすべて一つの方向を向いていたからです。
治すのは患者さん自身の生命力。鍼灸・漢方はそのきっかけに過ぎません🌿
🔬 氣脈功(きみゃくこう)とは
氣脈功は、近江治療院が採用する東洋医学の独自診断システムです。お腹の4か所(心下部・脾・季肋下・腎)に軽く触れながら、鍉鍼(ていしん)と呼ばれる先のとがっていない特殊な鍼を経絡のツボにかざすことで、身体の氣の反応を数値化します。
数値は−1.0〜10.0のスケールで表し、10が最も氣の充実した状態、3.0以下になると症状が現れやすい「症状域」とされます。この数値の変化を見ながら、どの経絡・どのツボが今日の身体に最も必要かをリアルタイムで判断します。
鍼を刺さない(非接触〜極めて浅い)施術でありながら、氣の反応は即座に腹診数値に現れます。理論ではなく、身体の氣の反応が治療の指針です。
耳鳴り・難聴・耳の詰まりでお悩みの方へ
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