「4月の朝、突然右耳が聞こえなくなって…」
50代の女性患者さん。耳鼻科で突発性難聴と診断され、6日間の点滴と内服薬を経ても聴力は改善しませんでした。「ザーっという音が続いていて、耳の圧迫感もあって…もう西洋薬は飲みたくなくて」という状態で当院を受診。
初診時の氣脈功では腎・季肋下ともに−0.2という重症値。腎虚・痰湿・膀胱腑病という複合的な病態を段階的に整え、4回の治療で承光補鍼一本で全分画が10に到達。聴力検査でも改善が確認されました。
👤 患者プロフィール
| 年齢・性別 | 50代・女性 |
| 主訴 | 突発性難聴(右耳)・ザーっという低音の耳鳴り・耳の圧迫感 |
| 発症前の状況 | 冬から睡眠不足(子の大学受験)・深夜入浴・琵琶湖岸の湿気環境・過剰な水分摂取・25年前のむち打ち後遺症 |
| 病院での経過 | 突発性難聴と診断→6日間点滴+内服薬→聴力改善なし |
| 治療回数 | 4回(本稿報告時点) |
🔍 東洋医学的病因分析
「耳は腎の開竅」。長期の睡眠不足とストレスで腎精が枯渇し、耳への氣の供給が断たれていました。さらに琵琶湖岸の湿気環境・過剰な水分摂取・脾の運化機能の低下が重なって痰湿が生じ、耳窍への気道を詰まらせていました。
「ザーっ」という低音耳鳴りの正体
脾虚→痰湿が生まれる
↓
肺に上昇・貯まる(脾為生痰之源・肺為貯痰之器)
↓
経絡を通じて耳窍を詰まらせる
↓
ザーっという低音耳鳴り・聴力低下・圧迫感
「健康のために水をたくさん飲んでいた」という習慣が水毒体質には逆効果でした。脾腎陽虚の体質に水分過多が重なり水毒が悪化。水毒体質の水分摂取の基本は「喉が渇いた時に、温かいものを少しずつ」です。
📊 氣脈功 数値の推移
| 腹診部位 | 初診 SK | 3ヶ月後 肺の氣位 |
4回目 SSK |
|---|---|---|---|
| 心下部 | 2.2 | ― | 10.0 🌟 |
| 脾 | 1.2 | ― | 10.0 🌟 |
| 季肋下 | −0.2 | ― | 10.0 🌟 |
| 腎 | −0.2 | ― | 10.0 🌟 |
| 肺 | ― | 9.2 🌟 | ― |
| 右耳(患部) | 0.2 | ― | 10.0 🌟 |
※ SK=氣脈功腹診値(治療前)、SSK=ピーク値(治療後最大反応値)。10が満点、3.0以下は症状域。
🪡 治療の方針と経過
① 腎精の補充(補腎)
腎虚が根本原因。腎精を補うことで耳への氣の供給路を回復させます。
② 痰湿の除去(清湿化痰)
清湿化痰湯を初診から継続処方。服用後2〜3週間は痰がよく出る好転反応が現れ、3ヶ月後に肺の氣位が2.2→9.2へ回復。耳窍を詰まらせていた痰湿が除去されました。
③ 膀胱腑病へのアプローチ
腎と表裏の膀胱に腑病が認められ、深い病位へのアプローチを並行しました。夜間尿の改善・気絶寝の消失という変化がこれを裏付けています。
④ 4回目:承光(頭部)補鍼一本で全分画10
初診時に全分画がマイナスだった体が、4回の積み重ねで承光補鍼一本で満点に到達。段階的な治療の集大成となりました。
ステロイドは炎症を抑えますが、腎精の消耗や痰湿という根本原因には働きかけません。東洋医学が補完できるのはまさにここです。
📈 4回の治療で起きた変化
夜間尿が治まった ← 腎の固渋力の回復
気絶寝がなくなった ← 腎精消耗が止まった
骨密度が評価D→Cに改善 ← 腎は骨を主る
聴力検査でわずかに改善
MRI:脳動脈瘤の状態が安定
右腰〜臀部の痛だるさが大分なくなった
全腹診の氣位が満点10.0に到達(承光補鍼一本)
👁️ 院長の眼
初診時に全分画がマイナスという重症状態から、4回で承光一本で満点に到達した。この回復の軌跡を振り返ると、治療の順番が正しかったことが分かります。腎精の補充・痰湿の除去・膀胱腑病へのアプローチ。一層ずつ剥いでいく段階的な治療が、すべての症状の根底につながっていました。
「水をたくさん飲むのが健康に良い」という思い込みが、水毒体質の方には逆効果になるケースがあります。体質を無視した一般論の養生が病態を悪化させていた典型例でした。養生に「正解」はなく、その方の体質に合った方法がある。これが東洋医学の視点です。
突発性難聴にステロイドが効かない場合、腎虚・痰湿・腑病という根本原因が残っているからです。西洋医学が「治らない」と言ったところから、東洋医学のアプローチが始まります。
治すのは患者さん自身の生命力。鍼灸・漢方はそのきっかけに過ぎません🌿
🔬 氣脈功(きみゃくこう)とは
氣脈功は、近江治療院が採用する東洋医学の独自診断システムです。お腹の4か所(心下部・脾・季肋下・腎)に軽く触れながら、鍉鍼(ていしん)と呼ばれる先のとがっていない特殊な鍼を経絡のツボにかざすことで、身体の氣の反応を数値化します。
数値は−1.0〜10.0のスケールで表し、10が最も氣の充実した状態、3.0以下になると症状が現れやすい「症状域」とされます。この数値の変化を見ながら、どの経絡・どのツボが今日の身体に最も必要かをリアルタイムで判断します。
鍼を刺さない(非接触〜極めて浅い)施術でありながら、氣の反応は即座に腹診数値に現れます。理論ではなく、身体の氣の反応が治療の指針です。
突発性難聴・耳鳴り・耳の圧迫感でお悩みの方へ
「西洋薬で効果がなかった」「ザーっという低音の耳鳴りが続いている」という方も、
まずは一度ご相談ください。
📞 0749-26-5137 📍 滋賀県彦根市西今町720-32
診療日:月・火・水・木・土 休診:金・日・祝
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