「頭痛が2週間、1回もなかったんです」
そう笑顔で報告してくださったのは50代の男性患者さん。2015年にくも膜下出血を発症し、開頭手術を経験。退院後から10年以上にわたって慢性頭痛が続き、朝晩のロキソニンが手放せない生活を送ってこられました。2025年秋からは頭痛が頻発し、仕事を2〜3日休むことも珍しくない状態に。
当院での治療5回目、右承光への灸一穴だけで全腹診の氣位が満点10.0に到達。背部兪穴への反応も消え、深部の病邪が退いたことを確認しました。くも膜下出血後遺症という難治症例に対し、東洋医学が示した可能性の記録です。
👤 患者プロフィール
| 年齢・性別 | 50代・男性 |
| 主訴 | 慢性頭痛(くも膜下出血後遺症)・右手の痺れ・右目のひきつり |
| 既往歴 | 2015年くも膜下出血・開頭手術 |
| 服薬歴 | ロキソニン朝晩+仕事中追加服用・降圧薬3種・睡眠薬 |
| 生活背景 | 朝4時起き・6時出勤という過酷な勤務リズム |
| 来院動機 | 2025年秋から頭痛が頻発、仕事を2〜3日休む状態に。同僚の紹介で来院。 |
| 治療回数 | 5回(本稿報告時点) |
🔍 東洋医学的病因分析
初診時の氣脈功診断では、脾・腎ともに0.3という症状域最底辺の状態。東洋医学において腎は「先天の精」を司り、生命力の根幹です。
くも膜下出血という重大な脳血管障害、術後10年にわたるロキソニン連用による胃腸への負担、朝4時起きの睡眠不足。この三重の消耗が腎精を根本から枯渇させていました。
舌診では、ぽってり大きく歯痕を伴い白いもったりした苔を確認。気虚・痰湿の典型像であり、余分な水湿が停滞して清陽が頭部に届かない状態が慢性頭痛の根底にあると診立てました。
🪡 5回の治療経過
表の邪気を取り除く
頭部・腎・膀胱経へのアプローチ。去風後に脾が0.3→9.2まで回復。腎は5.2で頭打ち。まずは表層の邪気を退かせ、深部治療への土台を作る段階。
朝のロキソニンが消えた
腎−0.3という最底辺から左五処への瀉鍼で一気に経絡が開通し、腎の氣位が9.2に到達。この回から朝のロキソニン服用が自然に止まりました。
腸内環境へのアプローチ
奇穴(風巌周辺)への灸が効果を発揮し、腸熱が自然消退。漢方補助剤スーパーフローラで腸内環境の根本改善を並行。
肝の血の滞りを発見・肝腎同源へのアプローチ
右背中の痛みが新出→肝兪のST反応を確認。腎の氣位3.4→SSK9.3まで回復。肝腎同源の視点で深部の血の滞りへのアプローチを開始。
承光一穴で全氣位10.0 🌟
右承光への灸一穴のみで、全腹診の氣位が満点に到達。背部兪穴への反応が消え、深部の病邪の消退を確認。頭痛は前回治療から2週間ゼロを達成。
📊 氣脈功 数値の推移(主要回のみ)
| 腹診部位 | 初回 去風前SK |
初回 去風後SK |
2回目 SSK |
4回目 SSK |
5回目 SSK |
|---|---|---|---|---|---|
| 心下部 | ― | ― | ― | ― | 10.0 🌟 |
| 脾 | 0.3 | 9.2 | ― | ― | 10.0 🌟 |
| 季肋下 | ― | ― | ― | ― | 10.0 🌟 |
| 腎 | 0.3 | 5.2 | 9.2 | 9.3 | 10.0 🌟 |
※ SK=氣脈功腹診値、SSK=ピーク値(最大反応値)。10が満点、3.0以下は症状域。去風=邪気を払った後の数値。
📈 5回で起きた変化
頭痛が2週間ゼロ ← 初診時は毎日朝晩ロキソニン服用
朝のロキソニンが消失 ← 2回目の治療から
仕事の欠勤ゼロ ← 2〜3日/月の欠勤が消えた
生活リズム改善 ← 朝4時起き→5時30分起きに
食欲・便通・睡眠がすべて改善
👁️ 院長の眼
今回もっとも印象に残ったのは、承光への灸一穴だけで全腹診の氣位が満点に到達した瞬間でした。複数の経絡・複数のツボを組み合わせるのではなく、5回の積み上げによって体が自分で整える力を取り戻した。その到達点が「一穴」に凝縮されていました。
くも膜下出血という脳血管の重大損傷、10年以上のロキソニン連用、朝4時起きという極度の睡眠不足。これだけの消耗が積み重なった腎精の枯渇を、段階的に回復させていくことが治療の本筋でした。背部兪穴の反応が消えたことは、深部の病邪が退いたことを意味します。
東洋医学の治療は、一発逆転ではなく段階的な回復です。邪気を一層ずつ取り除きながら、正気が立ち上がる土台を整えていく。5回の経過はまさにその積み重ねでした。
治すのは患者さん自身の生命力。鍼灸・漢方はそのきっかけに過ぎません🌿
🔬 氣脈功(きみゃくこう)とは
氣脈功は、近江治療院が採用する東洋医学の独自診断システムです。お腹の4か所(心下部・脾・季肋下・腎)に軽く触れながら、鍉鍼(ていしん)と呼ばれる先のとがっていない特殊な鍼を経絡のツボにかざすことで、身体の氣の反応を数値化します。
数値は−1.0〜10.0のスケールで表し、10が最も氣の充実した状態、3.0以下になると症状が現れやすい「症状域」とされます。この数値の変化を見ながら、どの経絡・どのツボが今日の身体に最も必要かをリアルタイムで判断します。
鍼を刺さない(非接触〜極めて浅い)施術でありながら、氣の反応は即座に腹診数値に現れます。理論ではなく、身体の氣の反応が治療の指針です。
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
症状によっては医療機関との併用をおすすめします。
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