40代女性。長期化した腹痛を主訴に来院。併せて氷食症、浮腫、中途覚醒、無気力感、経血量減少など多岐にわたる症状を訴えていた。氣脈功による初診時測定では、脾5.2という著しい低値を確認。
📊 初診時の氣脈功測定(1/20)
| 心下部 | 9.2合 |
| 脾 | 5.2合(著明な低下) |
| 季肋下 | 7.2合 |
| 腎 | 7.2合 |
⚠️ 病態把握柴胡桂枝湯証に風毒を合併。長期化した組織炎症と五積の停滞が根底にあり、内熱による氷食症を併発。脾氣の著しい不足により消化吸収能が低下し、全身の氣血生成が阻害されている状態。
【治療方針】徹底的なデトックスによる邪気排出
※亥の刻(21-23時)関元灸により、三焦旺時に浮熱を腹底に沈め、氣位10.0を丹田に定着させる方針
✨ 21日後の著効
患者報告:
再診時氣脈功測定(2/10)
| 部位 | 初診(1/20) | 21日後(2/10) | 変化 |
| 心下部 | 9.2 | 9.7 | +0.5 |
| 脾 | 5.2 | 10.0 | +4.8 |
| 季肋下 | 7.2 | 3.3 | -3.9(深部停滞顕在化) |
| 腎 | 7.2 | 5.3 | -1.9(腎精不足顕在化) |
【治療方針転換】デトックス完了につき補益・調整重視へ
💡 精血同源の実証季肋下(肝)3.3合、腎5.3合という数値は、東洋医学の「精血同源」理論を裏付ける典型例。肝血不足と腎精不足が相互に影響し、氷食症・経血量減少という血虚生熱の症状を引き起こしていた。
※陰維脈は諸陰を維ぐ奇経。肝・脾・腎の精血ルートを活性化
※柴芍六君子湯の引経薬(柴胡→心包経、白芍→肝脾経)が鍼灸施術経絡と完全同期
🎯 術後結果
| 心下部 | 10.0 |
| 脾 | 10.0 |
| 季肋下 | 10.0 (+6.7) |
| 腎 | 10.0 (+4.7) |
全氣位10.0達成
本症例は「精血同源」という東洋医学の古典理論を、臨床数値で実証した貴重な例である。初診時、脾5.2という著しい氣血生成能の低下により、肝血・腎精がともに枯渇していた。21日間のデトックス治療により表層の邪気が排出されると、深部に潜んでいた肝血不足(季肋下3.3)と腎精不足(腎5.3)が顕在化した。この段階で治療方針を「補益・調整」へ転換。陰維脈(公孫−内関)のイオンパンピングにより、肝・脾・腎の精血ルートを活性化させた結果、季肋下+6.7、腎+4.7という劇的な上昇を確認。全氣位10.0を達成した。
「肝は血を蔵し、腎は精を蔵す。精と血は源を同じくする」という精血同源の理論が、氣脈功という数値診断により可視化された瞬間である。氷食症・経血量減少という血虚生熱の症状も、精血の充実により今後改善が期待できる。次回診療で経過を確認する。