🔍 診立て
70代女性。2/12の前回治療後、全ての経絡が10.0点満点で足の痺れも完全消失し「すごく調子がいいです!」と絶好調。しかし2/25(雨天)にランチ外出で雨に濡れ体が冷え、翌日2/26来院時には全数値が急落。タイムライン:2/12全10.0絶好調→2/18雨水(二十四節気、湿気が上がり始める時期)→2/25雨天外出で濡れる→2/26全経絡急落。特に脾8.2→1.3(-6.9)、季肋下9.2→2.2(-7.0)、右足親指5.2→-0.3(-5.5、マイナス領域)。黄帝内経・素問「脾苦湿、急食苦以燥之(脾は湿を嫌う、苦味で乾かせ)」の通り、雨水期の湿気上昇+雨天外出で濡れ→脾が湿邪に侵された状態。
💉 鍼灸治療(扶正去邪)
右太谿(補法):腎陽を立て直す、下焦を温める、右足の痺れを温養
右腕骨(瀉法):風寒邪を追い出す、太陽経を開通、火穴で寒邪を温め瀉す
背中のツボ、温灸も施術
→ たった二点の鍼+去風で全て9.2以上に回復
💊 処方
藿香正気散:風寒湿邪を追い出す、湿気を化す(芳香化湿)、脾胃を立て直す(雨水期の湿邪に最適、素問「脾苦湿、急食苦以燥之」に完全準拠)
独活寄生丸:風湿痺を去る、肝腎を補う、痺れ・痛みを止める(右足のマイナス領域に直接作用)
📊 氣脈功
| 部位 | 前回(2/12) | 今回治療前(2/26) | 治療後 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 心下部 | 10.0 | 1.2 | 9.2 | +8.0 |
| 脾 | 8.2 | 1.3 | 9.2 | +7.9 |
| 季肋下 | 9.2 | 2.2 | 9.2 | +7.0 |
| 腎 | 5.3 | 3.2 | 9.7 | +6.5 |
| 右足親指 | 5.2 | -0.3 | 9.2 | +9.5✨ |
🌱 雨水(うすい)とは
二十四節気の第2番目、立春の次。2026年は2/18が雨水。雪が雨に変わり、氷が溶けて水になり、大地に湿気が増え始める時期。「湿気が上がり始める時期」で、脾胃が弱い方は特に注意が必要。
📖 黄帝内経・素問の智慧
「脾苦湿、急食苦以燥之」(脾は湿を嫌う、湿邪に侵されたら苦味の薬で素早く乾かす必要がある)→2000年以上前から警告されていた。藿香正気散は苦温燥湿+芳香化湿の生薬を配合し、この教えに完全準拠。
✅ 雨水期の養生法(2/18~3/5啓蟄まで)
やるべきこと: 雨の日の外出は最小限に、濡れたら即座に着替え・乾かす、部屋の除湿・換気をこまめに、温かい食事・芳香性食材(生姜・紫蘇・ねぎ)、はとむぎ茶で除湿、お風呂でしっかり温まる
避けるべきこと: 冷たい飲食物、生もの・刺し身、甘いもの(湿を助長)、油っこいもの、乳製品(湿痰を生む)、アルコール
【院長の眼】
2000年前の黄帝内経の教えが、現代でもピタリと当てはまる東洋医学の深さを実感しました。2/12の治療後、全経絡10.0点満点で絶好調だった方が、雨水(2/18)を過ぎて雨天外出(2/25)で濡れたことにより、翌日には全経絡急落。特に脾8.2→1.3(-6.9)という劇的な低下は、「脾苦湿、急食苦以燥之」という素問の教え通り、脾が湿邪に侵された状態でした。右足親指がマイナス領域(-0.3)まで落ちたのも、風湿痺の証拠です。たった二点の鍼(右太谿補・右腕骨瀉)で扶正去邪を行い、去風後には全て9.2以上に回復。特に右足親指は-0.3→9.2(+9.5)という奇跡的な回復を見せました。藿香正気散と独活寄生丸で、鍼灸の効果を維持・深化させます。「雨水」という節気を知っているだけで予防ができる。二十四節気の重要性、シンプルの力(たった二点の鍼で劇的回復)、鍼と薬の連携(両輪があってこその東洋医学)を改めて実感した症例です。体はちゃんと季節を感じている。古の智慧に学び、自然と調和して生きる。これが東洋医学の真髄です。