膝痛と下腿の倦怠感を訴える症例。歩行は改善傾向にありましたが、立位での「右裏太ももから下腿までのつっぱり」が残存。糸練功にて経筋証の合数を確認すると、わずか 0.2合。この「つっぱり」こそ経筋治療の鍵です。
入江正先生の理論に基づき、左大腸経筋、左膀胱経筋、胃経筋、左肺経筋へと段階的にアプローチ。火で熱した鉄棒を反応点に当てる「燔鍼(焼き針)」を実施した結果、つっぱりは消失し、氣位は 9.8合まで上昇、SSGは9合代を記録しました。しかし、深追いしすぎたことで一時的に左足へつっぱりが移動する場面もあり、「美味しいものでも腹八分目」という先師の言葉の重みを再確認しました。
最後は血海穴(円皮鍼)や左陰陵泉(接触円皮鍼)にて、浅い層(経筋)から深い層(経絡)への「先表後裏」の法則に従いデバッグを完了。経筋治療がいかに即効性を持ち、かつ繊細な制御を要するかを体現した好例です。次回の正気の定着が楽しみな症例です。