妊娠36週・初産の患者さん。元気いっぱいなのに、どこかおどおどしている。その理由が東洋医学的にとても興味深いものでした。
大好きな辛いものの過剰摂取が胃熱を生じ、肝血を消耗させていました。妊娠中はただでさえ赤ちゃんへの血液供給で肝血が減少しやすく、肝血虚→胆虚という経路でおどおど・不安・決断力の低下が現れていたのです。
氣脈功で胆経が2.2という低値を確認。子午流注の対極関係を利用した心経・霊道(HT4)への補鍼一本で胆経が2.2→10.0に到達。2026年8月3日、無事ご出産されました。
👤 患者プロフィール
| 状況 | 妊娠36週・初産 |
| 主訴・症状 | おどおど・不安感・決断力の低下 |
| 体質的背景 | 辛いもの過多による胃熱→肝血虚→胆虚 |
| 胆経氣位 | 2.2(症状域) |
| 来院目的 | 妊娠中の安胎治療・産後の血虚対策 |
| 出産日 | 2026年8月3日・無事出産🌟 |
🔍 東洋医学的病因分析
東洋医学では辛味は肺・大腸に入る味ですが、過剰に摂ると胃熱を生じ、肝血を消耗させます。妊娠中はただでさえ胎児への血液供給で肝血が不足しやすく、辛いものの過剰摂取が加わると肝血虚が加速します。
辛いもの過多 → 胃熱が強まる
↓
肝血を消耗させる
↓
肝血虚 → 胆虚 → おどおど・不安・決断力低下
肝と胆は表裏の関係にあり、肝血が虚すると胆もその余波を受けます。胆は「勇気・決断・堂々とした気」を司る臓腑であり、胆が弱るとわけもなくおどおどしたり不安になりやすくなります。妊娠36週・初産の緊張が加わり、胆虚がより顕著に現れていました。
📊 氣脈功 数値(本診療日)
| 経絡 | 治療前 SK | 治療後 SSK |
|---|---|---|
| 胆経(患部) | 2.2 ⚠️ | 10.0 🌟 |
※ SK=氣脈功腹診値(治療前)、SSK=ピーク値(治療後最大反応値)。10が満点、3.0以下は症状域。
霊道補一本で胆経が2.2→10.0。子午治療の理論と心胆相通の概念が複数の角度から一致した結果です。
🪡 治療内容
霊道(HT4・手少陰心経)補鍼
胆経の低値に対して、なぜ心経を使うのか。それは子午流注の対極関係によります。心経は午の刻(11〜13時)、胆経は子の刻(23〜1時)。子と午は正反対の関係=子午関係であり、心経から補うことで対極にある胆経を引き上げる「子午治療」です。さらに「心胆相通」という古典的な考え方により、心と胆はともに精神・決断力を支え合う関係にあります。
加えて産後の血虚を見越して、妊娠中から補血の漢方薬を多めにお渡しました。出産で大量の血液を消耗し授乳でさらに血が使われる産後に向けて、先手を打つことが漢方養生の基本です。
📈 経過と結果
胆経の氣位 → 2.2から10.0へ(霊道補一本)
おどおど・不安感 → 胆虚の改善とともに落ち着く
2026年8月3日 無事ご出産 🌟
👁️ 院長の眼
「辛いものが好き」という一言が、体質・病態・治療法すべてにつながっていく。これが東洋医学の面白さです。辛味→胃熱→肝血虚→胆虚→おどおど、という連鎖を一本の補鍼で断ち切れたのは、子午流注と心胆相通という二つの理論が同じ方向を向いていたからです。東洋医学の理論が複数の角度から一致した瞬間は、やはり気持ちのいいものです。
産後の血虚対策を妊娠中から先手で打てたことも今回のポイントです。東洋医学では「未病を治す」という考え方があります。問題が起きてから対処するのではなく、起きることが予測できる状態に先回りして手を打つ。漢方養生の本質はそこにあります。
治すのは患者さん自身の生命力。鍼灸・漢方はそのきっかけに過ぎません🌿
🔬 氣脈功(きみゃくこう)とは
氣脈功は、近江治療院が採用する東洋医学の独自診断システムです。お腹の4か所(心下部・脾・季肋下・腎)に軽く触れながら、鍉鍼(ていしん)と呼ばれる先のとがっていない特殊な鍼を経絡のツボにかざすことで、身体の氣の反応を数値化します。
数値は−1.0〜10.0のスケールで表し、10が最も氣の充実した状態、3.0以下になると症状が現れやすい「症状域」とされます。この数値の変化を見ながら、どの経絡・どのツボが今日の身体に最も必要かをリアルタイムで判断します。
鍼を刺さない(非接触〜極めて浅い)施術でありながら、氣の反応は即座に腹診数値に現れます。理論ではなく、身体の氣の反応が治療の指針です。
妊娠中の安胎治療・産後ケアをご希望の方へ
「妊娠中の不安やおどおどを何とかしたい」「産後の回復が心配」という方も、
まずは一度ご相談ください。
📞 0749-26-5137 📍 滋賀県彦根市西今町720-32
診療日:月・火・水・木・土 休診:金・日・祝
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