「咳が半分以上減りました。足のむくみも落ち着いてきました」
電話口でそう報告してくださったのは50代の男性患者さん。心臓疾患で定期通院中、血管拡張剤と利尿剤を服用しながら、約1ヶ月続く乾咳・朝の痰・足のむくみを抱えて当院にご相談されました。
来院が難しい方のための遠隔診療(電話)でも、氣脈功の問診数値と症状から腹診氣位を推定し、正確な体質判断と漢方処方が可能です。初診時に腎・心下部ともに0.3という極低値を確認。腎陰虚+肺の乾燥と診立て、約3週間の処方を経て、2診目で腎の氣位が0.3→5.2へと大幅に回復しました。
👤 患者プロフィール
| 年齢・性別 | 50代・男性 |
| 診察方法 | 遠隔診療(電話) |
| 主訴 | 乾咳(約1ヶ月)・朝の痰・足のむくみ |
| 既往・服薬 | 心臓疾患で定期通院中・血管拡張剤・利尿剤服用中 |
| 初診日 | 2026年4月18日 |
| 2診日 | 2026年5月11日 |
🔍 東洋医学的病因分析
東洋医学では「腎は肺の母」とされ、腎陰が不足すると肺を潤す力が失われ乾燥した咳が続きます。また腎の気化機能が低下すると水の代謝が滞り、足のむくみとして現れます。
心臓疾患による慢性的な循環不全・長期の薬剤服用・加齢が重なり、腎陰が消耗した状態です。陰が不足すると虚火が生じ、肺を乾燥させて乾咳・朝の痰を引き起こします。
腎陰虚+肺の乾燥が今回のすべての症状の根底にある体質と診立てました。
📊 氣脈功 数値の推移
| 腹診部位 | 初診(4/18) SK |
2診(5/11) SK |
|---|---|---|
| 心下部 | 0.3 ⚠️ | ― |
| 脾 | 3.2 | ― |
| 季肋下 | 4.8 | ― |
| 腎 | 0.3 ⚠️ | 5.2 🌟 |
※ SK=氣脈功腹診値。10が満点、3.0以下は症状域。遠隔診のため問診情報から推定。
腎の氣位が0.3→5.2へ大幅回復。症状域(3.0以下)を脱し、乾咳が半分以上減少・足のむくみの改善とも完全に一致した回復です。心臓の定期検査でも異常なし。
🪡 治療経過
2026年4月18日(遠隔診・電話)
乾咳1ヶ月・腎氣位0.3の極低値を確認。腎陰虚+肺の乾燥と診立て、腎を補いながら陰虚の熱を鎮める処方を開始。
処方:独活寄生丸+滋陰降火湯+桜エラスチン+
2026年5月11日(遠隔診・電話)
咳が半分以上減少・足のむくみも落ち着いてきた。腎氣位0.3→5.2に大幅回復。心臓定期検査でも異常なし。独活寄生丸から循環改善を重視した天晴希龍へ切り替え。
処方:天晴希龍+滋陰降火湯+桜エラスチン+
💊 処方内容(2診・調整後)
🌅 朝食前(白湯にて一気飲み)
天晴希龍 2錠
血流・血管サポート・微小循環改善。心臓疾患の既往を踏まえ、循環面からも腎を支える。
🌆 夕食前(腎経の旺時・17〜19時、白湯にて)
滋陰降火湯 1包
腎陰を補いながら陰虚の熱(虚火)を降ろし、肺を潤して乾咳を改善。腎経の旺時に服用することで引経効果を最大化。
🌙 眠前
桜エラスチン+ 2錠
肺・腎・血管のエラスチンを補充し、粘膜と血管の弾力を維持。
🌿 食養生・セルフケア
積極的に摂りたい食材(腎陰・肺を補う)
山芋・黒豆・クルミ・黒ごま(腎陰を補う)/梨・れんこん・はちみつ(肺を潤す)/海藻類(むくみをとり腎を支える)
控えていただきたいもの
辛いもの・揚げもの(虚火を煽る)/アルコール(陰を消耗させる)/塩分の多い食事(むくみを悪化させる)
セルフケアのツボ(温めるか、優しく押さえる程度に)
太谿 内くるぶしとアキレス腱の間 ― 腎陰を補い、足のむくみ・疲労感を和らげる
列缺 手首の内側・親指側のくぼみ ― 肺を整え、咳の再発予防・のどを潤す
👁️ 院長の眼
「乾咳」「足のむくみ」という一見別々に見える症状が、腎陰虚+肺の乾燥という一つの体質から来ていた症例です。腎陰が不足すれば肺を潤す力が失われて乾咳が出る。腎の気化機能が落ちれば水が滞ってむくみになる。すべての症状が一本の線でつながっていました。
心臓疾患で血管拡張剤・利尿剤を服用中というケースでは、西洋医学の薬が体の陰液(水分・栄養)をさらに消耗させる方向に働くことがあります。漢方で腎陰を補充しながら肺を潤すことで、西洋薬と干渉せずに根本的な体質改善へのアプローチができます。
遠隔診療(電話)でも、症状の性質・生活背景・既往歴を丁寧に聴取することで、氣脈功の腹診に準じた体質判断と適切な処方選択が可能です。「通えないから」と諦めずに、まずご相談ください。
治すのは患者さん自身の生命力。鍼灸・漢方はそのきっかけに過ぎません🌿
🔬 氣脈功(きみゃくこう)とは
氣脈功は、近江治療院が採用する東洋医学の独自診断システムです。お腹の4か所(心下部・脾・季肋下・腎)に軽く触れながら、鍉鍼(ていしん)と呼ばれる先のとがっていない特殊な鍼を経絡のツボにかざすことで、身体の氣の反応を数値化します。
数値は−1.0〜10.0のスケールで表し、10が最も氣の充実した状態、3.0以下になると症状が現れやすい「症状域」とされます。この数値の変化を見ながら、どの経絡・どのツボが今日の身体に最も必要かをリアルタイムで判断します。
遠隔診療の場合も、詳細な問診と症状の性質から腹診に準じた体質判断を行います。理論ではなく、身体の反応を指針とする東洋医学の本質は、遠隔でも変わりません。
乾咳・むくみ・体のだるさでお悩みの方へ
遠方の方・通院が難しい方も、電話による遠隔診療で対応しています。
まずはお気軽にご相談ください。
📞 0749-26-5137 📍 滋賀県彦根市西今町720-32
診療日:月・火・水・木・土 休診:金・日・祝
彦根市で鍼灸院をお探しの方へ
近江治療院の鍼灸治療案内(彦根市)はこちら